体外受精を検討する前に知っておきたいこと|内容、手順、リスク、費用


体外受精は不妊治療の方法の一つですカップルの6組に1組は悩んでいると言われている不妊。不妊に対する選択肢の一つが、体外受精です。体外受精は、言葉としては、今では一般的に認知されていますが、その内容についての理解は充分ではないようで、ウェブ上のQ&Aサイトには、数万を超える質問が寄せられています。本日は、この体外受精について、説明します。

 

体外受精とは、

 
体外受精は、身体の外で行う受精の事で、病気等の為、体内で受精を行う事が困難な場合に行います。
似た言葉で、人口授精という言葉を聞いた事がある方もいると思います。人工授精とは、排卵日に精子をとり、元気のよい精子を選別・濃縮し、子宮へ直接注入するやり方です。この人工授精という方法では、受精自体は子宮内で行います。人口授精で、妊娠しない場合、次の選択肢の一つとなるのが、体外受精です。
 

体外受精の手順

 
体外受精は、排卵誘発・採卵・受精・着床の手順で行われます。まず、薬物で排卵誘発を促進します。排卵後、複数の卵子を採取します。採卵後、選別・濃縮した精子を卵子に注ぎ受精を行います。こうして得た受精卵の中から状態の良い受精卵だけを子宮へ直接注入します。
 

体外受精の成功率

 
体外受精は、受精卵を子宮に注入する為、体内で受精を試みる人口授精よりも、必然的に成功率は高くなります。また、良質な卵子を選別できる点も、体外受精の成功率が高い理由の一つです。
 

体外受精のリスク

 
産婦人科学会のガイドラインでは、「体外受精で、一度に子宮に注入する子宮卵は一個」とされていますが、実際のケースとして、妊娠成功率を高める為に、複数受精卵を子宮に移植する事があります。その場合、多胎妊娠のリスクが生じます。また、体外受精は排卵誘発剤の使用、採卵の際の出血等母体に大きな負担がかかる可能性があります。
 

体外受精のリスクについての様々な見解について

 
体外受精により生まれた子供は、自閉症や発達障害になりやすい等様々な見解が過去ありましたが、2013年度のフィンランドでの研究結果(Hum Reprod 2013; 28:812)で、体外受精と自閉症や発達障害には、関連性が認められない事が示されています。
また、体外受精には、早産、低体重児等のリスクが高いと言われていましたが、これらの原因は体外受精そのものではなく、多胎妊娠であると考えられています。前述産婦人科学会ガイドライン通り、「一回に移植する受精卵は一個」ということにすれば、このリスクは軽減されます。
 

体外受精の費用

 
排卵誘発等の薬品代、採卵、受精、子宮への移植等の費用がかかります。一回の移植に数十万円は必要と言われていますが、金額は、医療機関によって異なりますのでご確認ください。また、一回で成功しない時の為に、余剰胚を凍結保存する必要がある場合、別途費用が発生しますので、注意が必要です。
少子高齢化対策の為、高度不妊治療に対しては、公的助成金があり、体外受精もその対象になります。お住まいの地域によって、助成内容、助成金額が異なりますので、チェックをしましょう。
なお、2013年7月に、厚生労働省の検討会は、体外受精などの不妊治療の公費助成対象年齢を42歳(43歳未満)までに制限、年間の回数制限を撤廃、現在最大10回認められている助成回数は原則6回に減等の方針を纏めており、今後助成内容が変更する可能性もありますので、注意が必要です。