「母乳で育てる」にこだわり過ぎるな!?


ミルク授乳するママの姿というのは、母性にあふれていて美しいものです。安心して一生懸命おっぱいを吸う赤ちゃんとそれを見守るママ。母親としてが自覚生まれ、赤ちゃんとの絆が深まっていく大切な時間でもあります。

栄養価が高く、費用もかからない…など、母乳育児にはメリットがたくさんありますが、周囲の人たちが母乳育児にこだわりすぎると、精神的にママを追いつめてしまうことがあるようです。「母乳神話」とは?母乳育児とミルク育児、それぞれのメリット・デメリットとは…?


ママを悩ます「母乳神話」

様々な理由から、母乳だけでは育児を続けられないママもいます。そのことで、悩んだり、自分を責めたり…と産後ブルーになるママも少なくありません。その背景に、いき過ぎた「母乳神話・母乳至上主義」があると、言われています。

「赤ちゃんには、母乳が一番。ミルクなんかではスキンシップも足りなくなって、ママの愛情が伝わらないわ」、「母乳を出す努力をしてる?」、「ちゃんと吸わせてれば、出るようになるわよ」「昔は、みんな母乳だったんだから。」「楽しようとしてるんじゃないの?」。挙句には…「母乳で育った子に悪い子はいない…」などなど。良かれと思い、励ますつもりで声をかけていても、根拠のない「母乳賛美」は、ママ達にとって、精神的な大きなストレスになります。

母乳育児・ミルク育児の双方にメリット・デメリットはあります。それらを冷静に考える必要がありそうです。


母乳育児のメリットとデメリット

母乳の中でも、出産後2~3日の間にでる初乳は、免疫物質が含まれており、赤ちゃんの健康にとって、とても大切です。その免疫物質が母乳を通じて、赤ちゃんの胃や、腸に広がり、細菌やウイルスなどが体内に侵入するのを防いでくれます。

母乳には、もともと体を成長させるたんぱく質や、エネルギー源となる脂肪、その他、脳や神経の成長に必要な乳糖やその他ビタミン・ミネラルなどがバランスよく含まれています。そしてこれらの栄養分は、消化器官の働きが未熟な赤ちゃんでも消化しやすい状態になっています。

母乳育児を続けると、乳がんになりにくいというデータがあります。また、母乳を与えることは、かなりのカロリー(1日に約600~800Kcal)を消費するので、妊娠前の体型に戻すのが比較的簡単になるとも言われています。

費用がかからない、授乳器具を必要としない、夜間の授乳も簡単にできる…というのも母乳育児の大きなメリットと言えるでしょう。

母乳育児にもいくつかのデメリットはあります。お母さんが「成人性T細胞白血病」とか、「エイズ」などに感染していると、母乳を通じて赤ちゃんも感染してしましますし、母乳はビタミンKの含有量が少ないため、母乳だけではビタミンKが不足しがちで、ビタミンK欠乏性出血症にかかりやすくなってしまう…とも言われています。(現在の日本では、予防的に生後間もないころからビタミンKを投与することにはなっています。適切な投与をしないと、生後1か月の頃に下血や頭蓋内出血を起こし死に至る場合があります)

また、授乳期間中、ママはアルコールや薬の摂取を控えなければなりません。体調不良の場合でも薬を飲めない…というのは、ママにとって辛いこともあります。


ミルク育児のメリットとデメリット

育児用ミルクの品質は年々向上しています。栄養成分などもかなり母乳に近づいており、かつては一種類だったミルクもアレルギー対応のミルク、低出生体重児向けのミルクなど、赤ちゃんに合わせた選択が出来るようになっています。

ミルクは母乳よりも消化に時間がかかる分、腹持ちがよく、赤ちゃんがすぐにおなかが空かないため、ゆっくり眠ってくれる…ことが多いようです。

そしてミルクの一番の利点は、ママがいなくても授乳が可能…ということではないでしょうか。ママがお仕事に出かけ誰かに預ける時や、パパがお世話をするときでも、いつもと同じように飲ませてあげることができます。ママが薬の服用が必要な場合でも、ミルクを使えば、安心です。


一方、授乳は長い期間にわたりますので、コストを考えると、母乳に比べかなり高いものになります。また、初乳に含まれるような免疫物質はミルクには含まれていないので、その点は、母乳に劣るところかもしれません。

また、器具の洗浄や、保管の際の衛生面には常に気を配る必要があります。お湯の温度管理なども少し手間だと感じてしまう人もいるでしょう。


それぞれの子育てを応援

母乳が苦労なく余るほど出るママもいれば、頑張っても母乳の出が悪いママもいます。持病の薬を切らすことができないため、あげたくても初乳さえあげられないママもいます。それぞれにメリット・デメリットがある、母乳育児とミルク育児。特性をよく理解した上で、ママの体調や生活状況に合わせて選択をすればよいのではないでしょうか。頑張るママたちのそれぞれの子育てを応援したいものですね。