新出生前診断と重い選択


新出生前診断2013年4月から始まった、「新」出生前診断…これまでに、7775人の人がその診断を受けた事分かりました。以前の診断に比べ、簡便である…という事もあって、開始当初に比べ、大幅に人数が増えてきています。診断を受けた結果、「陰性」であれば悩む事はありませんが、「陽性」という診断結果を告げられた場合、あなたはそれをどう受け止めますか?そもそも、出生前診断をあなたは受けますか?

「新」出生前診断とは : これまでの出生前診断との違い

出生前診断とは、胎児の染色体異常を検査する事を意味し、これまでも「羊水検査」という形での診断方法がありました。2008年のデータでは、年間、13000件の出生前診断が行われたそうです。羊水検査の場合、子宮内に針を刺して、羊水を取り出すという手法から、200人に1人の割合で、流産の危険性もあり、超音波検査のように全ての妊婦が受けるというものではありません。

それに比べ、新出生前診断では、妊婦の採血のみで、検査を行う事が出来、以前の出生前診断のような、流産などの心配がありません。また、羊水検査が、15週~18週頃に行うのに比べ、血液検査による新出生前診断は、かなり早い段階(妊娠初期:10週前後)で行う事ができるのも特徴の一つです。現在は国内約20の認定病院で、検査を受ける事が可能です。おおよその費用としては、20万円程度になります。

出生前診断についての賛否

6月に実施された、読売新聞社の全国世論調査によると、新型出生前診断の導入に、48%が賛成、30%が反対、22%が「答えない」と回答しています。若い年代ほど、新型出生前診断の導入に賛成の率が高いようです。この賛否分かれる理由としては、その人の立場・家庭状況・経験・年齢など、様々な要因が大きく関わってきます。

出生前診断を受けたいと思う妊婦さんが、以前より安全に簡単に受けられるようになるのは、よいことです。けれどもその結果が、「陽性」だった場合、妊婦の方やその家族に対し、適切なカウンセリングなどを行うフォローアップ体制が整っていなければ、重い現実だけが本人とその家族に残される…という事になってしまいます。


出生前診断の課題

現在、高齢出産が増えています。そして、それにつれて、出生前診断の受診者の数も増えています。「陽性」と診断された妊婦の何人が中絶という重い選択をしたか、現在のところ発表されていませんが、新出生前診断の実施施設が増え、検診を受けるハードルが下がると、人工妊娠中絶が増えていくのではないか…そして、それは「命の選別」に繋がるのではないか…というのが、議論のポイントとなっています。

修正前診断で、「陽性」と告げられた場合、「産む」ことも「産まない」ことも重い選択です。日本で人工妊娠中絶について定めた法律として「母体保護法」がありますが、これは、文字通り「母体」の安全を守る為に作られているもので、「胎児の異常」を理由とする中絶を認めているわけではありません。しかし、解釈の曖昧なまま、黙認されており、法律も、医療技術の進歩に対応できていないのが現状です。

あなたは、「出生前診断」を受けますか?

選択肢が無ければ、考えなくてすむのに、そこに選択肢がある…とい事は、何かしらの決断をしなければならない…という事です。本当に、重いテーマです。

「産む」「産まない」に関わらず、その病院とのお付き合いは続きます。担当の医師やカウンセラーが、出生前診断を受ける妊婦さんの気持ちに寄り添う丁寧なフォローアップ体制が整っているか…。もっと簡単にいうと、医師や、カウンセラーが信頼でき、自分に合っているか…。などきちんと見極めた上で、出生前診断に臨んでほしいと思います。