出産後の夫婦関係はどうなる?産後クライシスにどう立ち向かう?


生理不順の種類クライシス(crisis)は、一般的に「危機」と訳されます。「産後」と「クライシス」…普通は、あまり結びつかないワードです。「産後クライシス」は出産後に夫婦の間の愛情が冷めてしまう状況を指し、NHKの情報番組「あさイチ」の中で用いられて以来、様々なメディアで、取り上げられるようになってきました。子供が生まれ、自分たちの新しい家族の形を築いていく…という幸せであるはずの時に、一体、何が起こっているのでしょう。原因は…?「産後クライシス」を回避する方法は…?


出産は嬉しいはずなのに…

女性にとって、妊娠・出産は人生の中で、とても大きなそして喜びにあふれた出来事です。しかし、その一方で、妊娠期には、理由なくイライラしたり急に不安になったり…いわゆる「マタニティーブルー」になる女性や、その傾向が出産後深刻化し、「産後うつ」になってしまう女性も少なくありません。ホルモンバランスが大きく変化することで、この時期の女性の体と心は特に不安定でデリケートです。産後クライシスが起こるのは、ちょうどこの時期とも重なります。

マタニティーブルーや産後うつは、女性の心身に起こるトラブルですが、「産後クライシス」は、出産後に起こる夫婦の関係性の悪化を意味しています。妻が夫に対して、急速に愛情を感じなくなり、それが長期にわたり、回復されないままになってしまうケースもあります。「熟年離婚」の原因が、実は出産後の夫婦間の愛情の喪失であった…ということもあるようです。

仮に20代で結婚・出産をして、50代後半で離婚をしたとすると、およそ30年にもわたって、冷めた夫婦関係が続いてしまうことになります。一度きりしかない人生、夫婦にとっては、もちろんですが、子供たちにとっても決して幸せな状態ではありません。完全に壊れてしまう前に、愛情を回復させることはできないのでしょうか。


「産後クライシス」の原因とは…

専門家が共通して重要視するのは、出産直後の夫の育児参加の状況です。夫が子育てや家事にどれだけ協力的であったか…、出産後の妻の不安やライフスタイルの変化に対して、どれくらい理解・共感を示してくれたか…がその後の夫婦関係に大きく関係するというのです。慣れない育児に追われる中で、夫が非協力的な場合、妻の夫に対する信頼や愛情が急速に冷めてしまう…ということのようです。

夫にすれば、長時間働いて疲れて帰宅することも多く、そこから育児・家事を行うのは、簡単なことではありませんが、出産直後の数か月は、新しい家族の在り様や生活のリズムを創っていくうえでも、意識的に家事・育児にかかわっていく姿勢が必要かもしれません。


「産後クライシス」を回避するために…

こういった夫婦関係の危機が起こりやすいのが、特に都市部に多い…という注目すべき報告もあります。

「都市部の夫婦」が意味するものは、周りにサポートしてくれる人がいない…ということでしょう。自分の親や、夫の親、親戚、近所の人、友達などなど、子育て経験者やそうでなくても、気兼ねなく悩みを話したり、ちょっと子供を看ていてくれたり…そういった人の存在は、時に、少しありがた迷惑なこともありますが、新米ママとパパにとっては、物理的なサポート以上に大きな精神的サポートとなることがあります。逆に、二人きりで子育てをスタートしなければならない夫婦にとっては、お互いの信頼と協力が子供にとってだけでなく、夫婦の幸せな関係を続けるためにも一層重要となるのだと言えるでしょう。

精神的に少しまずいな…と思ったら、女性はその気持ちをまずは率直に夫に話してみましょう。実は、ただただ鈍感で、妻のつらい状況に気づいていない…ということも少なくないようです。そして夫は、ささやかなことでもよいと思いますので、話し合いながら、家事や育児をシェアする努力をしてみましょう。妻の出産の前後で全く時間の使い方を変えない夫もいますが、それはNGですね。

時には、ほんの数時間でも夫に赤ちゃんを預けて、一人になる時間を作る…というのも、大きなリフレッシュ効果があります。赤ちゃんと二人きりで向き合うことで、妻の大変さを身をもって夫が理解してくれるきっかけになることもあるようです。