産後ケアは出産前に準備すべき?!


産後ケア長い妊娠期間を経て、出産。ほっとする瞬間であり、幸せに満ちた時間です。
妊娠期間中の様々な体のトラブルからも解放されて、いよいよ赤ちゃんとの幸せな日々のスタートです。でも…自分がお世話をしなければ生きていけない、小さな大事な命を前にしたとき、新米ママにとっては、わからないことだらけ。戸惑ったり、不安になったり…。出産前に思い描いていた、赤ちゃんとの穏やかな時間と、あわただしい現実とのギャップに辛くなってしまうことも多いようです。

しっかりサポートしてくれるパートナーや、アドバイスを求めることができる経験者がすぐ近くにいてくれれば、すぐに解決する事でも、知り合いの少ない都会で、パートナーと二人きりで初めての子育てをする場合や、シングルマザーの場合などは、一人で悩みを抱えてしまう事になりがちです。体調や精神のバランスを崩してしまうことも少なくありません。「産後うつ」にもつながる症状です。


「産後ケア」という考え方

「「産後うつ」を経験しましたか?」という質問を約2000人の出産経験者に対しておこなったところ、「経験した」・「症状は軽かったが経験した」を合わせると、33%にもおよぶそうです。つまり、出産経験者の約3人に1人の女性が「産後うつ」を経験していることになります。

わけもなくイライラしたり、悲しくなって涙が止まらなくなったり…という症状を多くの女性が訴えています。時間の経過とともに、自然と回復に向かったという人もいますが、パートナーや、母親・義理の母親、友人などの力を借りて、なんとか気持ちを切り替えられるようになった…と感じる人が多いようです。相談相手がいない場合には、一人でどんどん追い込まれて行ってしまうことになります。そこで、必要になるのが、「産後ケア」の考え方です。


「一人の女性」の変化に寄り添う

日本産後ケア協会によると、「産後ケア」とは、ケアの対象を「子供の母親」としてではなく、「ひとりの女性」としてとらえることからスタートします。つまり、ただ単に、知識の少ない新米ママに、子育ての知識やよいママになるためのノウハウを教える…という考え方ではなく、産前から産後へと大きく変化する女性の体と心に寄り添って、専門的な知識と経験でサポートしていく…ということになります。


宿泊型「産後ケアセンター」

産後ケアを、集中的におこなう施設として、「産後ケアセンター」があります。助産師や専門のスタッフが、悩みを聞いたり、子育てにまつわる様々な知識や情報を提供してくれます。また施設によっては、24時間体制でママと赤ちゃんをサポート。児童相談・授乳・沐浴指導などとともに、産後ママの心身のケアということで、リゾートホテルのような客室やプランで、ヨガやアロマテラピーなど、様々なプログラムを提供してくれるところもあります。食事も提供されますし、夜間も赤ちゃんのお世話もお任せできるため、夜泣きや授乳でぐっすり眠ることができなかったママも安心して眠ることができるそうです。

こういった宿泊型の産後ケア施設は、費用もかかりますし、まだまだ数が少ないのが現状です。(一例として、「武蔵野大学付属施設産後ケアセンター桜新町」の場合、1日約30000円程度。1泊2日は60000円余りが必要となります。


産後ケアを出産前に準備?

現在、専門の産後ケア施設はまだまだ少ないですが、その必要性から、助産師などが、女性の自宅を訪問して、産後ケアを行う取り組みを行っているところも増えてきています。また、行政のサポートは十分とは言えませんが、子育てに行き詰ったり、悩んだりつらくなったりした場合、まずは、各自治体の保健所に相談してみる…のも、身近な相談場所としてはとても有効だと言えるでしょう。

産後ケアについては、困った時に慌てず対応できるよう、時間と気持ちに余裕のある出産前に、自分の住んでいる地域で利用できるサービスや施設について一度調べておくと、良いかもしれませんね。

10か月もの長い間おなかの中で、赤ちゃんを育てており、出産に向けては、気持ちのカウントダウンもできていたはず…かもしれませんが、出産を機に生じる身体的・精神的・そして社会的変化は、想像していた以上に大きい…と感じる女性が多いようです。赤ちゃんの生活リズムが中心になるため、これまでの生活スタイルへの大きな変化が求められ、そこに、戸惑いと不安も生まれてくるわけです。「産後ケア」という考え方は、一人の女性から母になることによって生じる、女性の様々な変化を理解し共感することを、大切にしています。