代理出産 賛成?反対?


代理出産 賛成? 反対?多くのカップルが不妊に悩んでいます。 不妊治療を続け、それでも中々上手くいかなくて、最終的な選択肢として、代理出産を検討している人もいるのではないでしょうか?ただ、代理出産については、社会制度、法律、倫理、また技術等様々な面で多くの課題があります。本日は、この代理出産について纏めてみました。

代理出産とは

代理出産とは、ある女性が、別の女性に引き渡す事を前提として、妊娠、出産をすることです。代理出産には次のようなケースが考えられます。

  • 依頼者である夫婦の受精卵を代理母の子宮に入れる
  • 第三者から提供された卵子と依頼者である夫婦の夫の精子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れる
  • 第三者から提供された精子と依頼者である夫婦の妻の卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れる
  • 第三者から提供された精子と卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れる

つまり、代理出産の場合、代理母のみならず、依頼者である夫婦とも血縁関係がない、もしくは、父親、母親は違う赤ちゃんが出産されることになります。

代理出産 日本の現状

日本では、この代理出産は原則として認められていません。代理出産そのもの、またその場合の「依頼者である夫婦とも血縁関係がない、もしくは、父親、母親は違う赤ちゃんが出産」といったケースについて、社会制度、法律等の整備も全く不充分というのが実情で、例外事項には対応できていません。

例えば、タレントの向井亜紀さんは、2003年に米国人女性を代理母として双子を出産しましたが、分娩した女性が母親になるという現行法律の為、実子としての出生届は受理されませんでしたが、その最高裁の判断に至るまで4年以上を必要としました。

また、代理出産は原則禁止であるにもかかわらず、諏訪マタニティクリニックの根津医師は、1996年以来15例の代理出産を強行し、日本産婦人科学会より処分を受けています。(これまで8例で出産、3例で流産を記録しています)

国際的には、インドで代理出産ビジネスがブームとなっており(インドでは商業目的で代理母になる事が認められている)、日本で禁止されているならば、認められている海外で代理出産を行うというカップルもいます。昨年11月のCNN報道によれば、インド西部グジャラート州の小さな町アナンドは「ミルクキャピタル」と称され、貧しさの故、低額で代理出産を引き受ける女性(赤ちゃん1人につき80万円程度の報酬)が集まっており、利用する日本人も増加しているとのことです。

代理出産 賛成?反対?

では、代理出産について、具体的にどうに考えたらよいのでしょうか?大変難しいのですが、まずは、代理出産の課題について理解をする事が必要と思います。主な議論をまとめると以下のようになります。

医療技術についての課題

本来、母親の体内で、受精し、胎児が育成されるのですが、体外受精し、かつ本人ではない第三者が出産するという代理出産のプロセスにおいては、自然界ではありえない代理母と胎児の細胞が相互の体内に入り込むという現象が起こります。この交換された他者由来の細胞は増殖し、数十年経過しても存在し続けますが、この事が代理母、子供の健康にどのような影響を及ぼすのかは未解明です。

またどれだけ技術が進歩したとしても、人が行うですので、卵子、精子、受精卵の取り違えのようなエラーはゼロにはならないでしょう。

法律的、社会制度的な課題

また、第三者から精子もしくは卵子の提供を受ける場合、匿名性の原則遵守が、重要である事は言うまでもありませんが、では、そうやって生まれた子どもが本来持っている「出自を知る権利」はどう考えたらよいかについても、充分検討をする必要があります。

現状の「産んだ女性が実母」という法解釈が代理出産という新しい技術に全く追いついていないという問題に加えて、祖母が孫を産む、姉が妹の子を産む等のケースの家族関係についても、定義を整備しないと、家族秩序自体が崩壊してしまいます。

倫理的な課題

また代理母出産や代理出産に伴う代理母ビジネス等「女性を子供を産む機械として扱い、商業化しており、公序良俗に反する」という批判もあります。

妊娠・出産には、死亡に至るリスク、死亡に至らずとも母体に大きな障害が発生するリスクがありますが、それらを代理母に負わせることには、倫理的に問題はないのか?という声もあります。

まとめ

代理出産は、不妊に悩むカップルにとって、魅力的なオプションなのかもしれません。色々な意味で未確立の領域ですが、確立するまで、待つ時間のないカップルも多いのではないかと思います。であるならば、代理出産の課題を理解したうえで、カップルが納得いく回答を出してほしいと思いますし、この文章が検討の一助に慣れれば大変嬉しいです。